kirakira rkirakira

 

 春の妖精みたいなクリオネちゃん。
 きれーで、まぶしくて、きらきらしてて、
 鮮烈ってゆーんだっけ。

 だから春に目が焼かれて、気が迷った。
 これはそんなひとりごと。

 クリオネちゃんは永遠で、
 オレはそーじゃねぇんだなって。

 

 この姿、クリオネちゃんが作ったんだってね。

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  • 透き通った翅 透き通った翅
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 蝶と花の飾り。
 透きとおった翅。
 アンティークな意匠。
 
 ぜんぶ、
 クリオネちゃんが仕立てた
 オートクチュール。

 


 そ、ぜーんぶひとりで作った。
 クリオネちゃんはもう、自分で体を作れる。
 誰かの助けがなくても生きられるってわけ。
 
 それってさ、
 誰もいなくなっても、何もなくなっても、
 ひとりで生きていけるってこと。



 
(それで、
 オレは置いていかれんだろーな)

 

 フツーはさ、
 死ぬ方が置いてくってゆーけど、
 本当に置いて行かれんのは、きっとオレ。

 そのうち、オレの時間が先に止まる。
 それでもクリオネちゃんの時間は続くじゃん。

 いつか、
 春は、季節は、
 クリオネちゃんだけに降りつもる。
 永遠みたいに、ながく、ながく。

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「むずかしい顔してる」
 クリオネちゃんが目の前にいた。
「この僕はお気に召さない?」

「んなわけねえじゃん。
 そりゃ、ほかの男のあつらえなのはヤダけど」
「知ってる」

 見えないのに、感じる視線。
 声に出さないで問い詰められてる。
 それだけじゃないだろってさ。
 よく見てんねぇ、オレのこと。

 あー、うん。
 ヤな気持ちも、ちょっとあるけど、
 でもさ、

「きれーじゃん」

 それ以上に祝福したいって思ってる。

「でしょう?
 ならどうして悲しそうなの?」
「それ、言わなきゃダメ?」
「だって、あなたは僕のものでしょう?
 あなたの悲しみも、僕にちょうだい」

「寂しいって思っただけ」
 クリオネちゃんがひとりで
 永遠になっちゃいそーで。

「フロイドさん、
 あなたも花をきれいって思うんでしょう?」

「花はすぐに散る。
 でも、本当にぜんぶ消えちゃうの?」

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 花がクリオネちゃんに降り注ぐ。
 きっとオレにも降っている。
 この景色は一瞬で、
 でも、ずっと忘れられないくらい、
 目を焦がす。


「僕、すごく魅力的でしょう?」
「アハ、自信過剰じゃん」
「だって、あなたがいつも教えてくれるもの」
 よくわかってんじゃん。
 ホント、まぶしーね。

petal anime petal anime

「だから、
 永遠に、
 あなたの目蓋の裏で咲いているよ」


 それは取り繕った誤魔化しなんかじゃなくて、
 きっと本当のこと。

「僕、この瞬間を忘れない。
 僕がメモリーを忘れるなんてありえない。
 だから、怖がらないで」


 そっか。
 オレの心に、
 クリオネちゃんは永遠に焼き付く。
 クリオネちゃんも、
 オレのメモリーと永遠へ向かってくれる。

「ねえいつかオレも、
 クリオネちゃんの永遠に連れてって」
ORTHO smile ORTHO smile
 荒い春風のせいで声は掻き消される。
 それでも、春が笑っていた。

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afterword